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山口 隆司; 羽賀 一男; 大坪 章
PNC TN9520 91-016, 107 Pages, 1991/08
核分裂・核融合ハイブリッド炉(以下,「ハイブリッド炉」と略す。)では,核融合(D-T反応)により14MeVの中性子を放出する。また核融合による発生エネルギー当り中性子放出個数は,核分裂の場合より約4倍多い。この高いエネルギーを持ち多量に放出される中性子を利用し,周辺のブランケット部で親物質を使った電力生産や核燃料生産,さらにTRUの消滅処理を行うことができる。このようにハイブリッド炉は実用化すると核燃料サイクル全体に与える影響が大きい。そのため,今からハイブリッド炉の特性を把握しておくこと,それに止まらず積極的にその実現の可能性を探り,研究開発の見通しを得ておくことは,動燃事業団でつちかった新型炉開発技術,燃料開発技術をさらに発展させ,原子力開発に新たな面から寄与する途を開く上で重要である。ハイブリッド炉解析用に開発され公開されている計算コードとしては,一次元輸送燃焼計算コード「BISON」がある。しかし,これまでのBISONではTRU消滅型ハイブリッド炉の設計計算を行うにはTRU核種についての断面積,燃焼チェーン等のデータが不足していた。そこで今回これらのデータを,核データライブラリJENDL-3からBISONに追加した。また,BISONにグラフィク出力機能を持たせ,照射量に対する元素別の原子個数密度や実効増倍率の変化のグラフが得られるようにした。本報告書は,改修されたBISONの機能を説明し,その取り扱い方を述べたものである。
林 君夫; 福田 幸朔
Journal of Nuclear Science and Technology, 27(4), p.320 - 332, 1990/04
熱分解炭素(BISO)で被覆した二酸化ウラン燃料粒子を1300~1400Cで約1%fimaの燃焼度まで照射した後、1600~2300Cの温度において黒鉛ヒーター中で等時加熱および等温加熱を行った。Cs、EuおよびRuの放出割合は、2000C、2時間の加熱後には10以上となった。これは、健全な炭化珪素(SiC)被覆を持つTRISO粒子からの放出割合が、この値より低いのと対照的であった。BISO粒子からのCsおよびCeの放出は、高密度熱分解炭素(PyC)中の拡散に支配された。一方、EuおよびRuの放出は、1800C以上では燃料核中の拡散に支配された。これらの結果は、欠陥SiC層を持つTRISO粒子からの核分裂生成物の放出に関する参照用データとして用いることができる。
林 君夫; 福田 幸朔
Journal of Nuclear Materials, 174, p.35 - 44, 1990/00
被引用回数:1 パーセンタイル:19.6(Materials Science, Multidisciplinary)熱分解炭素(PyC)被覆UO粒子からの金属FPの放出を1600~2300Cの温度範囲において照射後加熱によって調べた。RuおよびEuの放出は、1800C以上の温度では燃料核中の拡散によって律速され、それらの換元拡散係数は互いに非常に近い値であった。PyC層中のCsの拡散係数D(m/s)は、放出割合から次のように求められた。D=1.210exp(-4.1210(J/mol)/RT)この値は、CeのPyC層中の拡散係数に比べて1桁大きかった。PyC層中のFPの拡散係数について、それらのイオン半径および炭化物の安定性の観点から議論した。
小川 徹; 井川 勝市
Journal of Nuclear Materials, 99(1), p.85 - 93, 1981/00
被引用回数:22 パーセンタイル:90.03(Materials Science, Multidisciplinary)ZrCを第3層としたTriso被覆UO粒子を、2173~2773Kで加熱した。同粒子は2723Kl,1hの加熱には耐えたが、半数以上の粒子は2773K,1h以内で破損した。結果を、通常のSiC被覆Triso型粒子についての結果と比較した。ZrC-Triso型被覆燃料粒子内部の系について熱力学的考察を行い、高温でのCO圧を評価した。既存の(ZrC)-ZrO-Cおよび、(UC)-UO-C系についての熱力学データを評価した。前者の系上でのCO分圧についてのOuensangaとDodeの実測は極めて信頼性が高いと考えられる。また、CVD・ZrC中の不純物分析結果を載せた。